シンママ図鑑 vol.2 軽やか未婚ママ
北陸の元気なシングルマザーにインタビューをしていく企画「シンママ図鑑」
第2回は、軽やかに生きる未婚シングルマザーの宮本まさみさんをご紹介します!
現在、3つの仕事をかけもちしながら小学生の息子を育てているまさみさん。
石川シングルマザーの会発足当初からの参加メンバーで現在はサポートスタッフとしても頼りにされている存在です。
●なぜ未婚で生む決意をした?
年齢的に最後のチャンスだと思ったし、子どもを生む経験をしておきたかったから、相手(父親)に結婚の意思があってもなくても生むつもりでした。
●一番つらかった時期は?
一番大変だったのは出産のときかな。
自分一人の所得でやっていけるかどうか漠然とした不安はあったし、サポートがないことは不安でした。
母親が病弱なので自分もいつ病気になるか分からないし、自分になにかあったときにどうするのかはいつも考えてます。
コロナが始まった頃は仕事がなくなって貯金を食いつぶしていたのでヤバイと思ったけど、今は忙しくてつらいと感じる暇がないです。
●妊娠当時はどんな仕事をしていましたか?
妊娠したときは介護職と飲食店をかけもちしてました。
産後は育休を取って1年後に復帰したけど、夜勤もある仕事なので子どもを預けるのに苦労しました。
夜勤や早番をするときは夜間保育園と金沢市のショートステイ制度を利用して、仕事のシフトも融通はしてもらってたけど、ショートステイは月2回までしか使えないので、限度ぎりぎりで使っていたら児童相談所からもう使えないと言われてしまいました。
それで、収入と保育時間の関係を考えて夜の飲食店一本でしばらく働いていました。
今は夜間の仕事はやめて、昼間に派遣職員などの仕事をしています。
●子育てで大切にしていることは?
自分でできることは自分でさせる。
一人で生きていけるように覚悟を持たせる。
あと、女の子は守らなきゃいけないと言い聞かせてます。
ケンカについては、暴力で返すな、知識で見返してやれと言ってます。
その子よりも頭がよくなって、運動できて、稼げるようになれ、って。
保育園が縦割り保育だったこともあるのか、兄弟のような異年齢の子にもまれて、たくましく育ってると思います。
●新米シングルマザーに一言お願いします
未婚だと最初から相手に期待しないから、意外と気楽なんですよ。
だから私は、離別や死別のほうが大変だと思ってます。離婚を決めるときのパワーってすごいと思う。そのときの覚悟を忘れなければ大丈夫だと思います。
偏見の目で見られることもあると思うけど、自分は自分と楽しんでもらいたいです。
「子どものため」ばっかりにならずに、自分自身の時間も大切にして、もし、いいパートナーが見つかれば一緒になってもいいと思います。相手が男でも女でも。
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未婚で子どもを産み育てると決意したまさみさん。
その選択には、とてつもない覚悟がいると私は思うのですが、本人は「当然、産みますけどなにか?」的にサラッと選択した様子で、なんだかこちらが拍子抜けしてしまいます。
人に対する偏見がなく、何事にも動じないでいられるのは、まさみさん自身がもともと障がい者やジェンダーレスが周りに多い環境で育ってきたためだそうです。
お金に余裕があれば専業主婦になりたかったと話すまさみさんですが……家の中に収まっているのはもったいないと思う人材なので、これからも息子くんと自由に軽やかに活動範囲を広げっていってほしいと私は密かに思っています。
インタビュアー:おばた みなこ