シンママ図鑑 vol.5 ひとり親支援 活用マスター

北陸の元気なシングルマザーにインタビューをしていく企画「シンママ図鑑」
今回は、7年間のシングルマザー生活を経て再婚し、新たな幸せを掴んだみほさんのお話しを聞かせていただきました。
行政のひとり親支援制度を余すことなく利用し、自立へとつなげていった軌跡をご紹介します。
●離婚したのはいつですか?
息子が2歳のときです。(現在12歳)
1歳くらいから離婚に向けて動いていて、授乳しながら金沢市の女性相談室を利用したりもしていました。
●離婚当時と今の仕事は?
離婚当時は専業主婦でした。
離婚後、3年かけて看護師の資格を取得し、現在は看護師として働いています。
看護師の仕事を選んだ理由は、給与面などから社会的自立をしたかったからですが、今はやりがいを感じながら日々楽しく勤務しています。
辛いこともあるけど、患者さんの回復過程を見られることが嬉しいし、常に前進していける仕事だと感じています。
看護学校への通学期間中は、高等職業訓練促進給付金と児童扶養手当と国の奨学金を利用して生活費を賄っていました。
様々な手当については、金沢市の女性相談支援室などに助言をいただき申請しました。
●離婚したときの家探しはどうしましたか?
実家には頼れなかったので、最初の1年間は金沢市の母子寮に入居していました。
その後、県営住宅に転居しました。
県営住宅には学割制度があるので看護学校に通っている間は家賃が半額で助かりました。
●一番つらかった時期は?
一番つらかったのは、子どもを生んでからの結婚生活でした。
誰にも悩みを相談できず、一人で抱えていました。
離婚するまでは体力も精神力もすり減らしていました。
●いつから楽になった?
離婚してからは気が楽になりました。
私の行動の原動力は「悔しい、見返したい、私が子どもを育てる!」でした。
今は、息子たちに両親のけんかや気まずさを見せることもなく、のびのび過ごせています。
●再婚について
今の夫と知り合ったのは4年くらい前で、友達からの紹介でした。
私がシングルマザーだと知ったうえで、夫からのアプローチがあり、3人で遊んでいるうちに夫と息子が仲良くなっていきました。
息子は父親はいらないとずっと言ってたのですが、小2のときに「父親にならなくていい、ぼくと友達でいてくれるなら、お母さんと結婚していいよ」と言われたので、結婚を決意しました。
結婚して3年ほど経ちますが、今のところ衝突などはありません。
現夫との間に2歳になる息子がいますが、子どもたちの関係も良好です。
7年間、母子2人で生活してきた中でできあがっている生活リズムを、後から入ってきた夫が崩さないようにしてくれて、自立しあった関係になっていると思います。
現夫は、今の自分でなかったら結婚していない人だと思います。
私自身が自立ができたことで、人を惹きつけることができるようになって、夫も私に魅力を感じてくれたんだと思ってます。
●これからシングルマザーになる人に一言お願いします
あまり不安にならなくても大丈夫なのかなと思います。
シングルマザーになってみてから気づいたことですが。
いろいろな制度を知ることが大きな強みになると思います。
私は離婚を考え始めたときに親よりも先に市役所へ相談に行きました。そこで紹介された制度を利用して一人で立てるようになりました。
私が看護師になったのが30歳頃です。そこからでも人生は切り開けました。
50代の人も看護学校に通ってたりします。
自分で動いてきたおかげで、あきらめることがなくなり、いろんなことを払拭しました。
開き直りが大切ですね。
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みほさんは、自分の経験を伝えていくことで、自分と同じような経験をした人たちの役に立ちたいと話します。
大人になってから未知の世界に飛び込むのは誰でも怖いし、とても勇気がいります。
それを知っている私たちは「一人でがんばれ!」なんて絶対に言いません。
助けてくれる人や、使える制度にちゃっかり頼って、最初の一歩を踏み出してみてほしいなと思っています。
最初の一歩、半歩でも踏み出してみると、世界は果てしなく広がっていくはずです。
みほさんにはシングルマザー交流勉強会の2023年2月の講師を依頼しました。
気になる方はぜひご参加いただき、たくさん質問してくださいね!
インタビュアー:おばた みなこ